秋の雨
作詩曲 sai 編曲SSW
君足の爪に 紅い ペディキュアを
塗ってみたの ほんのいたずら心で
細く歪む君の 動かない
足が白く胸に染みて よけいに切なくなった


  何度もさすりながら 寒いねと呟く
  壊れ物のように抱いて ベッドに入る
  降り出した秋の 雨がふたりきりの
  病室(へや)にやけに 響いて
  眠れない夜



日記帳に つづる一日は
ミルク・おむつ ねんね・訓練それだけ
けして君は悪く ないけれど
テレビゲームのよに過去へ リセットしてみたくなる


  男の子でしょ強く 生きてねと願って
  今日も明日も腕の中の 息吹を守る
  降り出した秋の 雨がふたりきりの
  病室にやけに 響いて
  眠れない夜



  男の子でしょ強く 生きてねと願って
  今日も明日も腕の中の 息吹を守る
  降り出した秋の 雨がふたりきりの
  病室にやけに 響いて
  眠れない夜

生後8ヶ月でアクス療法のため2ヶ月半入院しました。入院当日、名古屋は5年ぶりという大雨に見舞われ、朝10時に病院へ行くはずが道路冠水でどうにも行けず、低く重い空をただ見上げるばかりでした。入院治療が始まってからは、強い副作用のため一日中キイキイと泣き続ける昂平を一日中抱きながら、ふたりきりの淋しい夜に耐えていました。いつも不安が隣り合わせにあった秋でした。